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平成２４年秋の叙勲について

平成２４年１１月５日

日本時間１１月３日（木），平成２４年秋の叙勲として，ハワイに在住の次の２名の方々に対する叙勲が発表されました。

○　ジーン・ミヤ・アリヨシ（Jean Miya Ariyoshi）

  アリヨシ氏は，昭和４８年，夫がハワイ州知事に就任以後約１３年間に亘り，全米初のアジア系州知事夫人として陰に日向に夫を補佐し，また，自らが主体となって各種奉仕活動，文化遺産保全活動などに積極的に関与した。

夫が州知事を退任した後も，同氏は，一民間人として，積極的に地元社会に関与し続けており，平成４～９年にかけて，ハワイ島のハマクア・インキュベーター・キッチン・アンド・クラフトセンター建設事業の発起人を務め，日系婦人の職業訓練と再就職機会の創出に貢献した。平成１０年には，全米日系人博物館がサンパウロで開催した「日系移民のコナ・コーヒー物語展」の広報活動を担い，日本・ブラジル・ハワイ・米国の文化・歴史交流の推進に貢献した。平成１３～１９年まで間は，ビショップ博物館理事として日系移民の歴史保存に力を注ぎ，日系移民関連所蔵品の維持管理のための募金活動を主導した。平成１７～２３年は東西センター財団理事として日本文化紹介に注力し，建築，舞踊，歌舞伎，木版画，能，邦楽等の各種展示会，演奏会などの実施に関与したほか，東西センターのための募金活動に手腕を振るった。また，平成３年からは裏千家茶道を紹介する夫人グループ（有心会）を率いて，献茶式の実施や日本文化紹介にも尽力してきている。更に，途上国の女性と子供の生活向上を目指すノエル財団の理事として国連女性開発基金との協働を主導し，特に，同財団と同基金が初めて共催した平成２年１０月の第１回「ライフタイム賞」授与イベントの企画運営委員長を務め，同イベントを成功に導いた。

○  ヨシアキ・フジタニ  (Yoshiaki Fujitani)

  フジタニ氏は，第二次大戦中，米陸軍の日系人部隊に志願し，戦後はシカゴ大学，京都大学で学んだ後ハワイに戻り，本派本願寺ハワイ教団の僧侶となった。同氏は，同教団英語部長として英語での布教を推進し，盆踊りの大衆普及への道を拓いた他，英語による説法の実施により，日本語を解さない日系人や非日系の住民への布教が可能となり，当地での仏教への理解と認知が促進された。昭和５０～６２年までは同教団の開教総長を務め，ハワイ人間国宝賞を創設した。平成５年に本派本願寺ハワイ教団を引退した後も一仏教者として活動を続け，平成１０～２１年まで仏教伝道教会ハワイ支部長，また平成１９年にはハワイ国際仏教協会会長を務め，仏教諸宗派との交流・連携により，宗派を超えた仏教精神の理解促進に尽力した。同人は，仏教宗派間の交流に尽力したばかりでなく，キリスト教，ユダヤ教など仏教以外の主要宗教との交流・対話にも尽力し，日本の文化，価値観，行動様式を多民族，多文化のハワイに伝えた。

また，自らが日系二世であり且つ日系人部隊の兵士でもあった同氏は，その体験などを講演・執筆活動により記録に残すとともに，複数の関連記録事業の立ち上げや運営で中心的役割を担い，ハワイを築いた日系移民の記録保存に尽力してきている。

　更に，同氏は，現在も公的行事での祈祷や社会活動への関与等を行い，ハワイ社会から日系社会の顔として認知・尊敬され，日系人のハワイでの評判を高めている。

 
　日本の勲章・褒章については、内閣府賞勲局のウェブサイト　（http://www8.cao.go.jp/shokun/index.html）をご確認ください。