総領事館活動

令和7年8月29日

「ハワイ日系重要無形文化財産」認定制度の立ち上げ及び第一回認定

令和7年8月27日(木曜日)、在ホノルル日本国総領事館は、「ハワイ日系重要無形文化財産」認定制度を立ち上げました。
 
本認定制度は、ハワイにおける日系移民の歴史や文化を背景に持つ芸能や慣習等の無形物を「ハワイ日系重要無形文化財産」(Japanese American Intangible Cultural Treasure in Hawaii)として、総領事館が認定することにより、日系人の歴史に敬意を表し、次世代のために記憶及び記録として残していくことを目的としています。本認定制度の概要は以下のとおりです。
 
●年に1回、原則2件程度、その重要性に鑑み、特に保存する必要のある日系移民に関連する無形の文化財を、「ハワイ日系重要無形文化財産」として、総領事館が認定する。
●認定にあたっては、外部委員によって構成される「選考諮問委員会」(注)(Selection Advisory Committee)を設置し、有識者による意見を踏まえた上で、公平かつ透明性のあるプロセスを経ることとする。
 
今回の制度立ち上げと同時に、以下2件を「第一回ハワイ日系重要無形文化財産」として認定しました。
 
1 ホレホレ節(Hole Hole Bushi)
ホレホレ節は、「元年者」と呼ばれる初めてのハワイ日系移民たちによって作られた歌である。かれらは、さとうきび農園の厳しい環境下で労働に従事する中、故郷を思い、ハワイで生きていく意志を言葉にし、節をつけた。「ホレホレ」は、サトウキビの枯れ葉を引き抜くことを表すハワイ語であり、ハワイ日系移民たちにとっては大きな意味を持つ。ハワイ日系移民たちが受け継いできた文化を代表するものであることから、ホレホレ節を第一回ハワイ日系重要無形文化財産として認定する。
 
2 沖縄太鼓(Okinawan Eisa Drumming)
沖縄移民たちは、当地において故郷との繋がりの維持に努めるとともに、民俗音楽や舞踊を通して、ハワイ沖縄移民としてのアイデンティティを形成してきた。当地に複数の沖縄太鼓グループがあることからも、沖縄移民の影響力は大きく、代々その文化を受け継いできたことが見受けられる。本年は、ハワイにおける沖縄移民125周年の節目の年であることから、沖縄を起源とする民俗音楽及び舞踊としての沖縄太鼓を第一回ハワイ日系重要無形文化財産として認定する。
 
(注)選考諮問委員会メンバー
1 ロバート・ヒューイ(ハワイ大学名誉教授、東アジア言語文学部)(座長)
2 チャールズ・モリソン(元東西センター所長)
3 スザンヌ・バレスラム(アジア太平洋安保研究センター所長)
4 レイナ・カネコ(ハワイ日米協会会長)
5 シェリー・メノア(ハワイ商工会議所会頭)