総領事館案内
2016年三澤総領事より新年のご挨拶

新年おめでとうございます。
昨年7月に着任以来半年が過ぎ、ようやく南国ハワイの生活にも慣れてまいりました。ハワイは外国の地にありながら、神社やお寺に初詣に行くことができる珍しい地域です。日本文化を含め、様々な異文化を優しく抱擁するハワイ社会には、私自身心の安らぎを感じます。
昨年は戦後70周年にあたり、ハワイでも日本でも様々な行事が開催されました。8月14日・15日に真珠湾において鎮魂と平和の祈りを込めた花火が打ち上げられました。また、9月2日にはミズーリ号上での厳かな式典が、そして12月7日(日本時間の12月8日)の真珠湾での盛大な記念式典が開催されました。いずれも、70年前に敵同士であった日米が和解し、今では最も親密な関係を有することを歓迎し、さらなる発展を希望する、未来志向の催しとなりました。
今年は、我が国は、伊勢志摩G7サミットを主催し、オバマ米国大統領をはじめ、主要先進国の首脳を迎えます。昨年交渉を終了したTPP(環太平洋パートナシップ協定)は、日米をはじめとする各国による署名・批准が期待されます。東日本大震災5周年にあたり、復興に向けた取り組みが問われる年です。また、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた準備も重要になりそうです。さらに日本では参議院選挙、ハワイでも大統領選挙、連邦議会選挙、ホノルル市長選挙などが予定され、選挙の年になります。今年も日米の政治的リーダシップが問われる忙しい年になりそうです。
一方、「真珠湾攻撃75周年」にあたる今年は、特にハワイの日系人の方々にとっては特別な年にあたるのではないでしょうか。19世紀後半から20世紀初め、さとうきびプランテーションでの出稼ぎ等のためハワイに来た日系一世、そして、その子供の二世の方々の多くは、1941年12月7日を境に「二つの祖国」に心を引き裂かれ、苦しい思いをされました。私は、このハワイに来て半年足らずの短い期間ですが、多くの日系人の方々との出会いを通じて、このような厳しい試練を経験してきた日系人の方々ほど、日米友好関係の重要性を認識されている方はなく、これらの方々が戦後の日米の架け橋となって来られたと感じております。
私自身も、微力ながら、当地社会と緊密に連携し、ハワイと日本の友好親善の促進、右を通じての日米関係のさらなる充実に向けて最大限努力したいと思います。まずは、元旦からハワイの神社やお寺に参拝し、「ハワイを訪れる皆様の旅が安全なものとなるように」、また「本年12月7日が、幸せな未来へと導く『運命の日』となるように」手を合わせたいと思います。引き続き、ご支援・ご協力のほど、よろしくお願い申しあげます。
2016年1月
三澤 康
ホノルル日本国総領事