青木総領事より新年のご挨拶

令和3年1月1日

Consulate General of Japan in Honolulu


 日本の文化や習慣が大切にされているハワイですから、皆様もおせち料理を味わったり、初詣に行かれたりして、お正月を楽しまれていることと思います。私も初めてのハワイの新年を青空の下で過ごしています。

 さて、新年早々に新型コロナウィルスに触れることには抵抗もあるのですが、やはり何よりも最初に、本年の皆様のご健康を、万一にも感染されることがないよう心からお祈りしています。

 昨年を振り返るとしても、今年を展望するとしても、新型コロナウィルスを抜きには語れません。「一年の計は元旦にあり。」といいますが、今年も新型コロナウィルスとの戦いが最重要課題となる以上は、まず、この未曾有の事態が、昨年、どのように推移したか、見直してみましょう。

 昨年1月に中国の武漢で始まった新型コロナウィルスの流行は、急速に世界中に広がり、一年間を通じて患者数が増加、12月には世界全体の累計で7000万人を超えました。
 
 日本もハワイも3月下旬から感染者が増加し、日本では4月7日に緊急事態宣言、ハワイでは3月23日に外出禁止令が発出されました。ともに5月、6月には感染状況が改善し、社会・経済活動が一部再開されましたが、7月には再び感染者が増加しました。ハワイでは8月がピークとなり、2回目の外出禁止令が出されました。9月に外出禁止令は解除され、ホノルル再開計画ティア1の規制が始まりましたが、「社会的集まり」は5人以下に制限され、現在も感染状況の改善に合わせて徐々に規制を緩和していく途上にあります。一方の日本では8月初旬にピークを迎えた後は減少しましたが、11月に再び増加、12月には一日に3000人を超え、過去最多となりました。
 
 このように振り返りますと、日本でもハワイでも感染状況が刻々と変化し、これに応じて規制の強化と緩和が繰り返されたこと、1か月先の状況も予測できなかったこと等、色々なことが思い起こされます。今年はワクチンが実用化され、状況を大きく改善することが期待されていますが、当面の間は、感染防止と経済再開のバランスを慎重に見極めなければならない、難しい舵取りが続くでしょう。

 「今年こそ、新型コロナウィルスに打ち勝つ年にしたい。」と誰もが切実に願っています。まずは、新型コロナウィルスを更に封じ込め、二度と外出禁止令が発令されないようにすることが先決ですが、このためには一人一人が感染防止策を忍耐強く続けるしかありません。

 テレワークにオンライン授業、イベントや会議のバーチャル化等々,多くの感染防止策が日常化しました。私も、直接会ってお話しできたら、どんなに素敵だろうと思いますが、引き続きパソコンや携帯電話の画面を通じての御挨拶、御連絡、更に意見交換、会議を積極的に行って、皆様とのコミュニケーションを大切にしつつ、日本とハワイのため、特に目前の重要課題としてハワイと日本の人の往来の再開に向けて、尽力して行く所存です。そして、新型コロナウィルスの終息の日、皆様と直接お会いして喜びを分かち合うことを心から願っています。

在ホノルル日本国総領事
青木豊